会長挨拶
厳冬の候、皆さまにおかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。近畿地方会会長を引き続き務めさせていただきます大阪公立大学大学院医学研究科産業医学の林朝茂です。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
近畿地方会は、約1500名の会員を擁し、全国の地方会の中でも特に活発な活動を展開しております。これもひとえに会員の皆さまのご支援の賜物であり、深く感謝申し上げます。昨期は、秋の年次学術集会「近畿産業衛生学会」や春の「学術講演会」において、運営システムを新たに導入し、ハイブリッド開催を実施するなど、改革をすすめてまいりました。この改革の目的は、長期的に安定した体制を整え、会員の皆さまとともに未来を見据えた活動を展開することにあります。その結果、参加者数が飛躍的に増加し、活気に満ちた学術交流の場を提供することができました。今後もさらに運営の改革を進めてまいります。
近畿地方会では、「若手活性化プロジェクト」を通じて、次世代を担う実務者や研究者を積極的に支援しております。このプロジェクトでは、若手会員が産業保健分野での実践的なスキルを磨くためのワークショップや、疫学に関する勉強会などを開催しております。これらの取り組みにより、若手会員が専門性を高め、キャリア形成を支援し、産業保健分野での活躍の場を広げることを目指しております。また、4部会の専門領域プロジェクトなど、さまざまな活動も進行中です。
これら近畿地方会の活動は、一部の会員の皆さまによる献身的なボランティアに支えられております。一方で、近畿地方会には専従の事務員が配置されておらず、事務局業務の多くが一部の学会員の大きな負担となっております。現在の近畿地方会の運営が、こうした学会員の献身的な支えによって成り立っていることをご理解いただければ幸いです。この課題を解決するため、中央との協議を進めつつ、持続可能な仕組みを検討しております。
今後の主な予定としまして、2026年には、森口次郎先生と私が企画運営委員長を務める「第99回日本産業衛生学会」を開催予定です。この学会では、全国の産業保健分野に携わる方々が一堂に会し、現場の課題解決や新たな研究の方向性について議論を深める場として、最新の知見を共有する貴重な機会となることを目指しております。ぜひ多くの皆さまにご参加いただければ幸いです。
さらに、2028年には「第38回日本産業衛生学会全国協議会」を近畿地方会が担当予定です。この協議会では、産業保健に関する現場の具体的な課題や実践的な解決策を共有し、各地の取り組みを学び合う場とすることを目指したいと考えております。
産業保健の現場では、働く人々の健康維持と増進がこれまで以上に重要な課題となっております。同時に、新たな課題への解決策の提示や学術的視点からのエビデンスの提供も求められております。近畿地方会は、この両者を結びつけ、社会全体の発展に貢献することを使命として、引き続き活動を推進してまいります。
会員の皆さまにおかれましては、引き続き近畿地方会の活動に対して温かいご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。本年も、皆さまとともにさらなる飛躍を目指して取り組んでまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。